WHAT YOU WILL LEARN
この記事で分かること
- ✓教育費は平らではなく、進学の年に山ができること
- ✓公立中心・私立中心で、山の高さがどれくらい変わるか
- ✓自分の家の山が何歳のときに来るかの数え方
「教育費は1人1,000万円」という数字を聞いたことがあるかもしれません。総額としては目安になりますが、**家計を考えるうえではあまり役に立ちません。**大事なのは総額ではなく、いつ重くなるかだからです。
教育費は毎年同じようにかかるのではなく、進学の年にはっきりした山ができます。この読みものでは、その山がいつ来るのかを見つける方法を扱います。
まず結論
- 教育費は平らではなく、入学の年に跳ね上がります
- いちばん高い年は、多くのご家庭で大学入学の年です
- きょうだいがいる場合、山が重なる年があるかどうかが最大の分かれ目です
ポイント| 総額を心配するより、いちばん重い年に手元がいくら残っているかを見るほうが実用的です。
学齢ごとの、1年あたりの目安
文部科学省の学習費調査から、学校教育費と給食費を合わせた1年あたりの目安を並べます。学習塾や習い事(学校外活動費)は含みません。
横にスライドして確認できます
| 学齢 | 公立 | 私立 |
|---|---|---|
| 幼稚園 | 約8万円 | 約19万円 |
| 小学校 | 約11万円 | 約103万円 |
| 中学校 | 約19万円 | 約114万円 |
| 高校 | 約35万円 | 約83万円 |
私立小学校の負担が突出して見えますが、これは6年間続きます。一方で私立高校は3年間です。同じ「私立」でも、続く年数がまったく違うので、総額の印象は変わります。
大学は、入学の年だけ別格になる
大学は入学金があるため、1年目だけ大きく跳ねます。
- 国立大学: 1年目 約82万円 → 2年目以降 約54万円
- 私立大学: 1年目 約138万円 → 2年目以降 約114万円
この「1年目だけ跳ねる」性質が、教育費の山を作ります。しかも大学入学の前年には受験費用がかかり、入学の年には住まいの準備が重なることもあります。
自分の家の山を見つける
必要なのは、お子さまのいまの年齢だけです。
- 紙に、これから20年ぶんの「あなたの年齢」を縦に書く
- その横に、そのときのお子さまの年齢を書く
- 6歳・12歳・15歳・18歳の行に印をつける(小・中・高・大の入学)
- きょうだいがいれば、同じことを人数ぶん書く
印が重なっている行が、あなたの家の山です。
たとえば3歳差のきょうだいがいると、上の子が大学1年のときに下の子が高校1年になります。入学の年が2つ重なるので、その1年だけ突出します。
4歳差・7歳差のように「重ならない」組み合わせもあります。年齢差は選べるものではありませんが、自分の家がどちらなのかを知っておくだけで、備え方が変わります。
山の年に、何を見るか
山が見つかったら、次に見るのは総額ではなくその年の家計です。
- その年、手元の預金はいくら残っている見込みか
- その年、住宅ローンの返済は続いているか
- その年、車の買い替えなど別の支出が重なっていないか
教育費だけを取り出して心配しても、判断はできません。同じ年に何が起きるかを並べてはじめて、備える必要があるかどうかが見えます。
マネタイプのしっかり診断では、この重なりを年次の表とグラフでお見せしています。数字を自分で並べるのが大変な方は、そちらもお使いください。
進路は、お金で決めるものではありません
ここまで金額を並べてきましたが、この記事は進路のおすすめではありません。
公立か私立かは、通学のしやすさ、お子さまの希望、ご家庭の考え方で決まるものです。お金はその判断の材料の1つであって、判断そのものではありません。
金額を先に知っておく意味は、「選べなくなる前に気づく」ことにあります。決める時期が来る前に見通しを持っておくと、選択肢を狭めずに済みます。
使える制度を確認しておく
教育費には、負担を軽くする制度がいくつかあります。金額や条件は変わるので、必要になった時期に必ず最新の案内をご確認ください。
- 高等学校等就学支援金 — 高校の授業料にあてられます
- 高等教育の修学支援新制度 — 大学等の授業料減免と給付型奨学金
- 自治体独自の助成 — 医療費や給食費など、市区町村ごとに違います
いずれも申請が要ります。「対象になるかどうか分からない」段階でも、学校か自治体の窓口で確認しておくと、時期を逃しにくくなります。
この記事の数字について
金額はすべて文部科学省の調査にもとづく平均です。平均は、あなたの家の金額ではありません。
同じ「公立小学校」でも、地域や学校によって実際の負担は違います。修学旅行の行き先、制服や体操服の有無、部活動の費用でも変わります。ここに挙げた数字は、桁を間違えないための目安としてお使いください。
今日のはじめの一歩
- 紙に、お子さまが18歳になるのが何年後かを書く
- そのとき、ご自身が何歳かを書く
- その年に、ほかに何が起きそうかを1つだけ思い出して横に書く
書けたら今日はそこまでで十分です。山がいつ来るかを知っているだけで、次に考えるときの出発点が変わります。